OPEN DATA DAY TOYAMA2019

オープンデータデイは、誰もが自由に使うことができる「オープンデータ」を作ったり、 使ったり、考えたりするイベントを世界中の都市で同日開催するお祭りです(https://odd.okfn.jp/ より)。

 

富山市は、安全・安心のまちづくりを強化するため、街の色々な情報をつなぐインフラ「富山市スマートシティ推進基盤構築事業」を進めています。

そこで、オープンデータデイの富山市会場(3/2 13:00@TOYAMAキラリ)では、富山市スマートシティ推進基盤で”今より暮らしやすい富山市”を考えるアイディアソンを行いました。

 

まずは、スマートシティとはどんなものかを参加者の方に伝えるための講演です。長野県で10年以上スマートシティに取り組んでおられる、信州大学の不破先生から、児童見守り、防災、登山者保護など多くの具体的な事例を交えながら、ご講演をいただきました。機能面だけでなく、運用・維持コスト、人材育成など、持続可能なシステムになっているとこも、とても参考になりました。


引き続き、富山市情報統計課の藤澤課長より、富山市スマートシティ推進基盤の紹介です。富山市が進める基盤は、LoRaWANという方式を採用しており、市内98個所に中継機の整備が終わっており、居住エリアの98%をカバーする大規模な通信網になっています。ソフトウェア基盤にはオープンな基盤である”FIWARE”を利用しており、オープンなAPIによるスマートシティデータの利活用が期待できます。今年1~2月に行われたGPSを用いた実験結果や通信性能の実測結果などのデータも示されるなど、スマート推進基盤の実装した結果についてもご紹介いただきました。

 


事例や仕組みの説明を聴いたあとは、アイディアを出すためのワークショップです。最初は、二人組での短時間ブレスト。全員が口を動かすことで、緊張をほぐしつつ、脳内活性化していきます。


活性化後は、シンキングタイムです。1人3つのアイディアを考えて、シートに書いていきます。アイディアのタイトル、概要(3項目分)、誰が、いつ使って、どんないいことが起きるのかを短時間で書き出していきます。


100近いアイディアの中から、自分が共感できるアイディアを選んでチームを作り、それぞれのアイディアを掘り下げます。今回のアウトプットは新聞形式、アイディアが実現したときの新聞記事をチーム全員でつくっていきます。


アイディア発表、トップバッターは「トヤマシティ新聞」に掲載された「わりとどこでも自転車」。富山市の自転車シェアリング アヴィレをLPWAを使ってIoT化します。貸出・返却場所に設備が不要となり(ステーションの仮想化)、ステーションの数を飛躍的に増やすことができます。ステーション間の移動に、ポイントを付加することで、ポイント間の自転車輸送を低減します。


コミコミサーチは、LPWAを使って駐車場の込み具合を見える化します。どこの駐車場が空いていてかつお得なのかがわかるようになります。将来的には、イベントや公共施設の込み具合の見える化します。

 

 


鳥獣被探知センサー富山モデルの発信は、画像認識可能なセンサーを配置し、鳥獣検知状況をLPWAで送信、住民や行政で情報を共有します。農作物の鳥獣被害軽減、住民の安全、生態系の保護を一度に解決するアイディアです。


”黒いあいつをどうしよう”カラスや鳥のフン害対策をLPWAで実現します。カラス検知情報を収集し、カラスを光や音(カラスの嫌がる周波数)を出して、撃退します。カラスの出現データなどを活用したごみ収集の最適化も行います。


”にゃんこタイムズ”の”MATATABI Neo”。ネコ愛にあふれる発表。ICタグを利用することで、GPSの従来品を大幅に軽量化し、ネコの負担を軽減。しかも、磁力で猫背なネコのカラダの負担を軽減する機能もある。しかも洗練されたデザインで、アクセサリーとしても使えます。


”ひとり暮らし見守りたい”は、独居老人の暮らしを、水道の利用状況から判断して、孤独死を防ぐ仕組み。LPWAを活用することで、従来の同種サービスに比べランニングコストを下げることができる。孤独死は、富山県でも年間300人くらいと考えられており、このシステムにより、孤独死を減らすことができる。


最後にみなさんで記念撮影。皆さまありがとうございました!

そして、イベント運営には、富山市、株式会社インテックさまから多大なご支援をいただきました。厚く御礼申し上げます。